神戸 平野谷から平野谷西尾根 by カランクルン
 
今日はたなべハイクの皆さんをお誘いして、生瀬の赤子谷左俣に行く予定していた。
急遽のトラブルで合流時間に間に合わないのが判明。
仕方なく、夕方の慌ただしい時間を利用して”平野谷”周辺の調査ハイキングに変更。


 
大倉山の名前は、明治の大富豪、一代で大倉財閥を作り上げた、大倉喜八郎の所有地から名付けられたのは、初めて知りました。
「我庭は茅渟の海原池に見て 波の淡路は庭の築山」
これは大倉喜八郎が、安養寺山(今の大倉山公園)からの眺望を詠んだ歌です。

日清戦争後、約8000坪の土地を買い取り、広大な別荘を建てました。
しかし、彼は余り滞在せず、
彼と懇意だった、「伊藤博文」(初代兵庫県知事を務めた)
がもっぱら利用していたといいます。

伊藤は、
「昼夜涼風吹不断 神戸第一の眺望且避暑地に有之」
とうたっていた。

しかし、1909年、ハルピンで暗殺されたのを契機に、
彼の銅像を建て、公園として市民に開放するという条件で、
大倉喜八郎は土地と別荘を神戸市に寄付しました。
公園は1911年10月、銅像の完成と共に開園しました。

「大倉山と伊藤博文像」解説板より抜粋)
2022年 6月 4日     同行者:Bergen単独  

市街地の平野谷は、何処にでもありそうな三方を石垣で固められたの河川であるが


今回はJR神戸駅から北に向かいます。
有馬街道(R428)の東にある、「平野谷」を探ってみようと思い立ったのです。
以前から何度もこの周辺のハイキングコースに出かけてますが、この周辺だけは
Bergenにとって未踏の地、「空白地帯」(そんな大げさなものか?)だったのでした。

「いよいよ六甲も、空白地帯が少なくなってきました!」

今回は左岸よりのアプローチで進むが、直ぐに堰堤上を右岸に渡る

あまり時間もないし、ヘッドランプも持ってこなかったので、可能ならば
「猩々池」から大師道を下降、と考えていました。

入り口に結構な規模の堰堤があり、谷自身は伏流になっています。
微妙な足場を、右岸に渡り、そこから急な階段を登りきると、
市街地からの道に合流しました。
「こちらから来れば、なんということなく来れたのですね!」

右岸からの道に出会うと、そこからはJR神戸駅の山手が街並みが一望のもとだ


先ずは少し戻って市街地の眺められる地点から、
神戸駅周辺の景色を眺めます。

「さあ、いよいよ谷に突入(!)ですね」
正直、今までのアプローチの印象から、
前向きの気持ちに!とは、積極的に思えない雰囲気です。

右岸沿いの道を進むと、住居だったらしい(?)廃墟が続く


実際のところ、先を進みますと、谷筋に覆いかぶさるように木々が茂り、
所々に朽ち果てたような廃墟としか思えないような建物が続きます。
失礼ながら、かなり陰気な雰囲気です。

西空を見ると、まだ太陽が高い所に輝いているのが、気休めでも良いものです。
「何処まで行きますか?何処で引き返しますか?」

渓谷に架かる小さな橋を渡って左岸を遡行する、堰堤にはガードレールが


「平野谷」の名の通り?、延々と緩やかに高度を上げて行きます。
所々で高巻き道(主に堰堤を超すところ)になりますが、概ね流れに沿った
穏やかな道です。

「高巻きのところが、堆積した枯葉で滑って危険です」
これは、「平野谷西尾根」の下りでも危ない目に遭いました。
 
蛇が巻き付いたのような木


熊笹の林で踏み跡が分かりにくくなりますが、開けている場所もあります。
途中からは、右岸のかなり高い所をうねうねと進みます。
谷も随分と遠くなってきました。

先を進むにつれ、歩行状況と地図からの判断で、
「途中で引き返すか?」、或いは
「二本松林道から天王谷に下るか?」
その2つの選択肢でした。
 
平野谷西尾根、分岐部付近に目印が、「ウクライナ国旗」のようだ


やがて、朽ち果てて倒れそうな道標
(それでもかなりの”精神安定剤”でした!)
が出てきますと、登山道は幅広い、舗装された林道に変りました。
Bergen、
「疲れましたが、此れで先の見通しが立てられました!」

此処から(安全策を取って)天王谷(の国道)に!とも考えましたが、
折角ですから、平野谷西尾根を下ってみましょう。
 
下降するにつれ分岐が増え、所々で迷うところもあるが


分岐点の入り口に柵がしてあり
「平野谷西尾根は迷いやすいので、他の道をお通り下さい」
と警告されていました。
地形図から判断すると、概ね尾根通しに下れば問題ないように思えました。

「折角ですから、やはり下ってみましょう」
 
大倉山の「伊東博文像」(跡)の台座にて

予想通りと言うべきか、現在地点が分かっていても、
ルートファインディングには困難も。
熊笹に隠された小さな分岐点は見落とすことも多く、
進行方向も思い込みで判断すると、反対側に向かいそうでした。

「今回も、ピンチの際は『ヤマップ』がいいですね。
本当に助かりました。下るにつれて分岐点が増えますので、
尚更迷いやすいです」


まあ、何とか時間内に安全地帯に出ました。
余裕をもって(実のところ、ほっとしました)
「大倉山公園」などを散歩しました。
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