カランクルン、北アルプス 明神本峰(東稜より)登攀

2016年5月13〜15日     リーダー:HT 、メンバー:G,S,T,O &Bergen
穂高岳には何度も行ったが、明神岳の登頂はかなわずであり、以前から行きたかった山の1つであった。
日程が前夜泊含め2泊3日と忙しない旅であった。
しかも夜の登攀による落石事故も起こり、反省すべき山行であった。
5月19日(金)
移動、大阪〜松本へ


松本(泊)
宿泊:松本駅前、「飯田屋」ホテル
夕刻に大阪集合。今夜は豪勢に松本駅前の宿に泊まる。此処で関東からくるSさんと合流する予定である。
到着時間も遅いので、各自、早々に部屋に引き払う。
ビールを買って飲むが、なかなか寝付かれない。
5月14日(
上高地から明神登山口、ひょうたん池からラクダのコルテントサイト


6:35上高地ー8:00明神ー12:00ひょうたん池ー東稜登攀開始ー20:00落石事故ー
21:30ラクダのコル(幕営)

宿泊:ラクダのコル(幕営)

前日は松本泊まりなので、早朝に沢渡入りです。「前回は確か、10年位前でしたね!奥穂南稜に行きました。懐かしいです
早朝、バスの始発までは時間がある。タクシー2台に分乗して上高地に入る。

河童橋に寄り、梓川沿いを東に、明神小屋から明神岳登山口に向かいます。
最初は傾斜の緩い、つづら折りの登山道です。
「しっかりとした踏み跡と目印がありますが、なかなか歩きにくいガレ場も出てきますね」
特に、途中からガラガラの川底を歩くようになると、傾斜もかなりきつく、尚更、歩きにくい。
上高地、河童橋に向かう 明神橋
樹林帯を抜けてガラ場に出ますと、一気に視界が開けます。
明神2峰の側壁が眼前に広がり、雰囲気はよろしいです。
「ひょうたん池はあのコルの所にあるのですね」

途中で急な雪渓の登りがあるが、雪が腐っていて歩きやすい。北アルプスの東の視界が広がってくる。灌木の背丈も低くなり、しかも開けているのだ。ひょうたん池は雪の下である。此処では豊富な雪解け水が利用できるが、幕営には早すぎる?!まだ12時である。
「この分なら、早くにテント場に着けそうですね」
だが、此処からの東稜は、傾斜もきつくなり、ロープワークに以外と時間を取られたのであった。

途中のテント適地は2張は張れる余裕なく、先を急ぐが、途中で日没が。
急なルンゼを密集隊形で登っていた時に落石事故発生!!

Bergenを含めて4人が被害を受けた。
だが、Bergenの左膝の打撲挫創が最悪であった。暗闇の中、ヘッドランプを点けての登攀は、2時間以上に渡った。
宮川上の台地、此処で水脈が変わる ひょうたん池は雪の下
5月15日(
明神本峰 登頂、奥明神沢下山、帰阪へ

幕営場所7:00…東稜バットレス…10:30明神本峰…15:00岳沢…17:30上高地
ラクダのコルから山頂までは傾斜も増し、側壁は急角度で切れ落ちてりる。
 Sさんがリードし、後続はユマーリングで登って行くのだが、6名ともなれば時間がかかる。途中で日帰りのツアーチームに追い越される。
Bergenは、左膝の腫れと痛みで、登り下りが困難を極めた。
昨夜は痛みと興奮でまんじりともせず、またままたまた睡眠不足です。今朝は良く晴れて、快適です。明神本峰のアタックです。

結構標高差があります。
昨夜、重大アクシデントがあり、遅くにテント場に到着したのもあり、アタックの朝にしては遅めの出発です。
正面に「東稜バットレス」という、迫力のある岩壁が聳えています。
「今日は晴天が続くようですが、山頂では素晴らしい眺望が期待できるでしょうね?」
出発の朝、ラクダのコルより小ピーク ラクダのコルから明神東稜バットレス
「バットレス」上からは、非常に急なルートです。
しかも、崩れやすいガラ場、砂礫帯、雪田などが連続し、落石の危険も常に付きまといます。
予想していたとはいえ、とても、すっきりした岩稜登攀とは程遠い!

「それでも、山頂に近づくにつれ、精神的には楽になってきます」

痛い左膝(かなり腫れています)をなだめつつ、漸く山頂に到着。此処から見上げる前穂はより高く聳えている。
「標高差はまだ200m近くあるのですね」
明神本峰にて、バックは前穂高岳 前穂高岳から奥明神沢上部
 明神連峰を南下して五峰から岳沢に下山する当初の計画は、時間切れ()当初から無理だとと踏んでいたが)中止。奥明神沢から岳沢に下山する。
「これから先に2ピッチ程の懸垂下降があります。そこを下ると、奥明神沢のコルです」 

コルには大勢の人が出合います。前穂から下山してきた人たち、明神から縦走してきた皆さん!核心の計画が無事終了したのでか?、表情も心なしか余裕です。

急な雪渓を慎重に下り続けますと(長かった!)、岳沢小屋です。
「漸く到着しましたね」
しかし、此処から上高地までの下りも、膝の痛みに耐えながらの苦行でした。
奥明神沢のコルにて 奥明神沢を下る 下山の翌日、知り合いの医師に診てもらいました。レントゲン上、骨折はありませんでしたが、左膝の関節内には多量の血液が貯留しており、関節穿刺して排液しました。初めての大きな怪我に暫く落ち込んでいましたが、次第に快方に向かっているのが一安心です。
今回の山行計画に対して、比較的軽微な結果であったと言え、(事故の原因、結果に対しての)公式の報告は出されないのでしょうか?
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