南アルプスの前衛、鳳凰三山 | |
2011年10月7日(金) 〜8日(日) Bergen単独 | |
10月7日アプローチ 新潟出発ー大宮経由ー新宿から韮崎(泊) |
以前から何回も行きたかったが、計画できなかった南アルプスの前衛峰、 鳳凰三山に出かけました。 新潟での仕事を終えての単独行は,初めてです。 夜遅くに韮崎に到着し、ホテルに宿泊。 翌日、朝早くから出かけました。 好天に恵まれ、宿(鳳凰小屋)も素晴らしく、山上からの景色も絶景でした。 |
10月7日(金) | |
大宮から埼京線. 新宿から初めて,特急「あずさ」に乗りました。 20分ほど出発が遅れて、21時過ぎに韮崎に到着しました。 下車してみると、街はもう既にお休みモード。 ホテルの近くでの夕食や、明日の行動食の確保もままならず。 已む無く、駅北のコンビにまで買い物に。 これが大変役立ちました。 街の地理の把握と、翌日翌々日の行動食の獲得が出来たのでした。「もうこれで、山行中の食糧確保は安心ですよ」 |
|
地蔵岳のオベリスク前にて | |
10月8日(土) | |
7:10韮崎駅発ー8:00青木鉱泉8:15…12:150鳳凰小屋…(地蔵岳往復) …鳳凰小屋(泊) |
今日は鳳凰小屋に泊まる予定でいたが、予想より早く到着出来たので薬師岳小屋まで足を伸ばそうとしたが、思わぬ伏兵が!? それは何か? |
バスの出発時間の10分ほど前に、駅南の臨時のバス停に到着。 登山口の青木鉱泉までは、季節運行の山梨中央交通バスである。 定員20人程のマイクロバスである。 青木鉱泉までの悪路(!?)には大型のバスは入れないのだ。 途中寄る御座石鉱泉と終点の青木鉱泉に向うのは、総勢9名の山屋! 市街地を過ぎると、川沿いにバスは進みます。 終点でバスを降ります。 「堪らんほど悪い道では無かったですね」 青木鉱泉には、非常に多くの車が駐車している。 アプローチには圧倒的にマイカーが便利である。 バス派は、あくまでもマイナーである。 |
|
山梨中央交通のバス | |
青木鉱泉は、かの有名な、趣のある白い本館以外にも、多数の味わい深い木造の建物で構成されている。 「まさしく、癒しの空間ですね。一度泊まってみたいものですが!」 ここから真っすぐ行けば「ドンドコ沢コース」、川を渡って対岸に移ると「中道コース」だ。躊躇うことなく前者を選択。暫くは川沿いの林間の登り道です。 やがて急な山肌を巻いて行きますが、結構高度を稼いでゆきます。樹林帯の急な上り下りが続きます。 一旦川原に下ります。 そこからは、ドンドコ沢を左手に見る幅広い尾根を登ります。 やがて滝の轟音が! 「南精進滝ですね。折角ですから、空荷で往復しましょう」 |
|
南精進滝にて | |
分岐点からも、なかなか急な斜面が続きます。 次のポイントは白糸滝です。 「このコースは見どころが多いので、飽きませんね」 白糸の滝も、かなりの迫力、中々の壮観です。 天候は絶好の好天です。 紅葉はまだまだですが、じっくりと周囲を眺めます。 更に高度を稼ぎます。 川面が近くなってくると、豪壮な五色滝の登場です。 谷の奥に左右から瀑布が注ぎ込みます。 |
|
五色滝 | |
途中の陽だまりのところで、皆さん思い思いにご休憩です。 今日は快晴無風で、 「風が無く、温かいのは楽ですね」 此処から傾斜は緩やかになり、大勢の人たちを追い越します。 鳳凰小屋も真近でしょう。 沢の源頭らしき河原を進むと、地蔵岳のオベリスクが霧の中に初めて見えました。(バスには3人が間に合わなかった由) 数回の渡渉がありますが、水嵩も多くなく、岩伝いに楽勝です。 「鳳凰小屋は、もう直ぐでしょうね!」 |
|
鳳凰小屋の手前の、ドンドコ沢源流の川原 | |
少し高台の林の中に、鳳凰小屋が忽然と出現。 大勢の人々で混雑しています。 漸くヒトゴコチが着けました。 今夜の宿泊は総勢150名ほど? 地蔵岳まで往復し、夕食まで思い思いに時間を過ごします。 登りの途中で出会った人、地蔵岳から一緒に下った愛知川の 人そして神戸から来られたご夫婦と、山の話が弾みました。 「さあ夕食です!」 流石に人気の山や小屋、食事は4回に分けて提供されます。 慌てる必要もないので、最後のサイクルで頂きました。 今夜は、カレーの夕食で幕を閉めました。 宿泊棟に引き上げる時、まさに降り落ちんばかりの星空が印象的でした。 「明日の晴れは間違いなし。早朝出発です」 |
|
鳳凰小屋にて | |
10月9日(日) | |
4:15鳳凰小屋出発…5:30観音岳山頂…7:00薬師岳山頂…9:15青木鉱泉 ー韮崎駅 |
星の瞬く中を出発。 観音岳へのショートカットルートをとる。 稜線での眺望は、素晴らしいの一言に尽きた。 感激! |
昨夜の夕食のように、朝食を4回に分けて食べると出発が遅くなる。弁当にしてもらっていて正解であった。 暗い中を川を渡り、アルミ梯子に取り付く。 よく注意しないと、急傾斜の登山道は間違えやすい。 暫く急傾斜の樹林帯を進むと次第に傾斜が緩くなり、木々の密度も疎くなる。相変わらず星が瞬いている。 いきなり樹林が切れると、そこは地蔵岳からの縦走路であった。 先行の4人パーティーが休憩している。 「お先に失礼します」 稜線は花崗岩の露出したガラガラの道であるが、ヘッドランプはまだまだ手放せない。そのうちに周囲は次第に明るくなり、遠くの稜線がはっきりと見えてきた。 「北に見えるのは八ヶ岳ですね」 |
|
鳳凰三山縦走路からの八ヶ岳 | |
南に目を向けると、何と富士山も指呼の間に見えます。 雲海の上に高く聳えています。 「矢張り、富士山は立派ですね」 稜線こそは、花崗岩が露出したアルペン的な景観ですが、 麓の方は濃密な原生林に覆われています。 「矢張り南アルプスはワイルドですね」 北には甲斐駒と仙丈、西には白根三山が大きく聳えています。 周囲はすっかり明るくなりましたが、御来迎はまだまだです。 |
|
観音岳より富士山にて | |
鳳凰山と言えば、最高峰の観音岳を指すようです。 折角ですからセルフタイマーで記念撮影します。 御来迎はまだまだです。 4人パーティーの方々も、漸く到着です。 「北岳はどれですか?」 「この前の大きいのですよ」 どうも甲斐駒と勘違いされていたようです。 急ぐ必要もないのですが、長居も無用なので、先を急ぎます。 ヘッドランプは仕舞います。 |
|
鳳凰山(観音岳)にてーBergen | |
そのうちに東の雲の上が次第に明るくなり、御来迎です。 あたりが更に明るくなります。 山々も活気が蘇るようです。 「森羅万象、生命のあるのも御日様のおかげですね」 人生、何事にも感謝が必要です。 「謙虚が一番!」 (誰ですか?一番無いのは君だろ!という人は) |
|
鳳凰山から見る日の出 | |
アルペン的な稜線の凹凸は、日の出に伴う陰影の妙により、更に印象が深くなります。鳳凰山(観音岳)から薬師岳までは、上り下りはあるものの、概ね下り坂です。 薬師岳の山頂付近には、大勢の人達が見えます。 夜明けの感激はすでに遠くに去り、あたりはもうすっかり日中のような風景です。 薬師岳の登山者は、時間もまだ早いので、殆どが南御室方面からの登山者です。 |
|
朝焼けの鳳凰三山の稜線 | |
折角ですから、北岳をバックに撮影する。 「白根三山がこんなに立派に見えるのは、感激ですね」 薬師岳の山頂で薬師岳小屋に行く道と、中道コースが分かれる。 迷うことなく左手に進む。 途中の小コルで、打ち捨てられた(?)ザックがあった。 「中から何かを出しかけたようなままだが、それにしては霜が着いている。何か遭難事件?」 |
|
薬師岳から北岳 | |
このコースは全くの樹林帯である。しかもかなりの急傾斜である。所々で水の流れで路面も乱れているところもある。 「下りも、ドンドコ沢のほうが変化に富んでいて楽しいでしょうね」 御座石を過ぎても傾斜は緩まず、なお且つ視界も開けない。 樹林帯の中の単調な下りである。 ドンドンと高度を下げてゆくだけが楽しみである。 やがて次第に傾斜が緩やかになり、木々も落葉松の疎林となって来た。 「漸く、地蔵の山頂のオベリスクが見えましたね」 それからも林道までは遠く、最後に廃屋が見えてくると登山口であった。 |
|
登山口の廃屋 | |
今日は意図せぬうちに、思いのほか早く下山できました。 バスの時間まで3時間もあります。 折角ですから、鉱泉に入ります。 「鉱泉もなかなか良い雰囲気です。 風呂上がりにはヤッパリ、ビールを頂きます」 今日は(も?!)、時間いっぱい楽しみました。 これから、久しぶりにお家に帰ります。 名残惜しいが出発です。 「さあ、バスの時間が迫っていますよ」 韮崎から中央線で塩尻、名古屋経由で帰り、 久しぶりに特急「あすさ」、「しなの」に乗りました。 「列車利用の山登りも、風情があっていいものですね」 |
|
青木鉱泉 |