北陸、白山ー今シーズン最後のスキー行
2011年5月20〜21日     同行者:SH(L)
訪問先  白山(甚ノ助避難小屋〜黒ボコ岩:2160m
5月20日(金):大阪出発
毎月,山スキーの計画を考えているのだが、参加者が少なく、計画倒れに終わるケースが再々である。
淀屋橋でもミーティングで山行計画を練っている(?)が、直前に思い立って計画した事例が多い(!?)。


今回の山行は、リーダーのSHさんの休みと合致したので成立した。
山行計画は、確実に参加可能なメンバーが1人以上いれば成立するのだ!
(この面からは、今は亡きOMさんは貴重な存在だった)

山スキーとしては、”突撃登山”であった。
天候にこそ恵まれなかったが、白山らしい伸びやかな山容を大いに楽しんだ。
しかしながら、雪の状態は、深い縦溝が長く走り、滑降の快適度から言えば最悪であった。

同じ時に、カランクルンのSRさんもこの山域で登山していた!
賢明な彼女は、未明(3:00台)に出発し、深い霧の中を進路に苦しみながらも登頂していた!
ゼンマイ

18:00SH宅-名神大山崎IC-名神、北陸道−福井北IC-勝山-白峰-一ノ瀬(幕営)
 
出発予定を15時にしていたが、Bergenの都合で遅くなった。
高速を殆ど休まず進む。北陸道は空いている。
勝山からは、石川県の白峰より一ノ瀬まで車を進めた。

5月21日():甚ノ助避難小屋〜黒ボコ岩ー帰阪

:6:00出発…8:30中飯場…10:00甚ノ助避難小屋…11:30黒ボコ岩手前(2160m)12:00=(滑降)=12:30別当出合…15:00一ノ瀬


出発時は山肌に濃い霧が付きまとう。
しかし、その後は少し薄くなった。
見晴らしも利かず、時間切れのため、2160m地点で引き返した。

何時もとは異なり、比較的長い仮眠時間であった。
朝食を済ませ、スキーをザックに担いで一ノ瀬登山口から登り出す。
やはり、些か眠い。
登山口からは九十九折りの林道である。
積雪もないのに、安全上の理由からか?車の侵入は制限されている。MTBが有効なのがよく分かる。

「これが最初の試練です。頑張って登らねば!」


新緑の林は素晴らしい。貴重な自然林の林である。
2時間半ほどの頑張りで、別当出合に到達する。
立派な建物が建っているが、トイレ以外は水も使用できない。
しばし休憩する。

一ノ瀬の、別当谷に架かる橋、出発の朝
ここから、まず恐怖の吊り橋が待ち構えている筈なのだが、幸いにも敷き板は設置済みであった。この高さで、鉄の枠組みだけの上を渡って行くのを想像すると、心穏やかでない。
見上げる山並みには、降りてくるガスも濃くなってきた。

「この分では、エコーライン付近の見晴らしは如何でしょうかね?」

この天気では殊に雪山ではオリエンテーションが難しい。
まあ取り敢えずは、甚ノ助避難小屋まで辿り着くことです。
目的は滑降!それははっきりしています。

林道歩き2時間半で別当出合に到着
案の定、中飯場で下ってきた連中に出会った。
ガスの急傾斜の登山道でオリエンテーションがつかなかったという。
「今日は残念ながら、霧が深いです。
GPSも持っていましたが、役に立ちません」
と、仰られる。

中飯場の少し上で、運動靴から兼用靴に履き替える。
この辺りは一部夏道も通るが、おおむね小さな谷筋にルートを取る。
木々が些か煩い。
先行パーティーはシールだが、我々は壺足で進む。
雪も堅く、靴も潜らないので快適に登高出来るのだ。
私はシートラを止めて、”ズリズリ”に変更だ。
晴れれば快適な景色なのでしょうが。

「上方の視界は絶望的ですなー」
先行するシールのパーティー
雪の段丘を何段も登ること1時間。
漸く、「甚ノ助避難小屋」の屋根が見えてきました。
著明な弁柄色の避難小屋です。
旧館は概ね雪の下ですが、新館は殆どが露出しています。
何れも施錠されており、利用できません。
(この時期は、昔は自由に利用できたのでしたが)

旧館の屋根の上で、シール準備のパーティーが居られます。
どうもエコーラインを登られるようですが、予想通り、途中の雪は割れており、夏道を登らねばならないようです。

我々も、エコーライン経由で室堂までと考えていましたが、雪の繋がっている夏道ルート(黒ボコ岩ー弥陀ヶ原ー室堂)に変更します。
雪に埋もれた、甚ノ助避難小屋、旧の小屋
残念ながら、別山の雄姿は見えません。
それでも周りの、人工物のない広大な雪原、近くの新緑の山肌、残雪の残る遠くの峰々は素晴らしいの一言です。

「天候は次第に改善してきていますが、あの雲は雨か雷か?
これ以上は登りたくないですな」

この思い、よく分かるでしょう?
甚ノ助避難小屋にて
「天候の急変は誰も分かりません。
視界が悪ければ、時間切れでピークも踏めませんよ!
よーシ!これで今回の登高は終了です」


しかし、滑降が大変です!
深く、何条もの縦溝が、雪面に延々と下って続いています。
僅かな平面を見つけて、「さっ〜」とします。
縦溝の上を滑ると、まるで洗濯板の上を滑っているようです。

SHさんは
「これはサーフィンですね」
と、のたまわれます。
リーダーもお疲れ
それでも折角ですからひたすら耐えて耐えて下ります。
途中からは案の定、樹木が煩くなってきました。
また、ルート取りも難しくなります。
何度も立ち止まり、進路を軌道修正して、慎重に下ります。
「どうも左(別当谷)に行き過ぎるようです」

「明日は日曜で人出も多いでしょうが、今日は今から登って来る人は居ないだろう」

と、高をくくっていたら、2名のパーティーが登っておいででした
別当出合に向かう吊橋、敷き板は着けられていた
別当出合いからは林道歩きですが、流石に下りは楽です。

一ノ瀬から車で白峰に。
「ここまで来れば、何はともあれ入浴ですよ!」
親湯に悠々と入浴。

ここは本当に良い温泉で、最近、建て替えられたようです。
以前の場所と違っています。建物も、しっとりとした風情があります
登頂を諦め、些か複雑な気持ちでしたが、ともかくも有意義な週末でした。
(出発が遅かった。最初は大阪をもっと早く出発する予定だった。一ノ瀬到着が遅れたので、仕方がない面もあるが、リーダのSHさんの心積りを狂わせて申し訳なかった)

その後、一路大阪に向かいました。
激しい渋滞とは無縁でした。
「何はともあれ、充実した週末で良かったです」
(週末に家でゴロゴロしている姿は、恐怖そのものです)
タムシバの花
inserted by FC2 system