九州百名山の旅 | |
2009年12月15日(火) 〜17日(木) Bergen単独行 | |
記録 | |
12月15日(火): | |
阿蘇山、高岳山頂にてー自宅で写真からスケッチ | |
7:40伊丹空港出発ー(JAC)−大分空港ー(レンタカー)ー10:00牧ノ戸峠登山口…13:00久住山…15:00登山口ー阿蘇仙酔峡泊 |
今回は九州の名山3つを楽して登ろうと、Bergenは欲張りな計画を立てた。 些か贅沢だが航空機利用(JALのマイルが利用できた!)なので、効率的な山登りが出来た。 中々行き難いこれらの山は、思わぬ雪に恵まれ、思いのほか感激の旅でした。 |
飛行機利用なので、勿論、朝からの出発である。 レンタカーはスズキのSWIFTである。 大分空港道路より九州自動車道を経て、やまなみハイウエーに入る。 火曜日の九州、大分の朝は車が少ないが、自衛隊のトラックや大砲の輸送車が異常に多い!? やまなみハイウエーは、予想していたよりカーブ、上り下りが多い。 (高校の修学旅行で利用した時にはあまり記憶に無かったが、 なんせ40年も以上前の出来事である) 今日は天気予報と異なり、天気もまあまあ? 久住山も全容が見えている。 「楽しみですね」 |
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久住山、牧ノ戸峠にてSWIFT君 | |
駐車場からは最初はコンクリートで固めた登山道(遊歩道?)である。 峠から久住の山(三俣山)が見える。 「三俣山は久住の象徴のような山ですね。まことに印象的です」 曲がりくねった狭い道には、霜柱が出ている。 牧ノ戸峠が1300mあるので、粉辺りも非常に冷却されるのであろう。沓掛山を駆け下りると、潅木帯に出る。 |
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遠くに見える三俣山 | |
やがて扇ガ鼻と星生山を結ぶ稜線に出てきた。 前方になだらかな斜面が広がって、中々良い雰囲気です。 しかし、この頃から次第に天候が! 「次第に霧が出て、小雪も舞い始めましてきましたね」 西千里ガ浜のトラバースルートから、小雪が舞いだしてきた。 天候も不定で、時間も押しているので先を急ぐ。 この山行期間中はあまりよくない天気予想であるが、案の定ではないか? |
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霜柱の登山道を登る | |
漸く久住山が見える地点に到着しました。 予想より小ぶりな印象ですが、地形図を確認して見ますと間違いありません。斜面には雪でしょうか?白いものも着いています。 「何とか(登頂の)目処が立ちそうですね!」 そうです、此処からは1時間以内でしょう。 |
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星生岳のトラバース道より眺める久住山本峰 | |
やがて急な巨石帯の斜面を登りますと、前方に避難小屋のある窪地が見えてきました。 旧火口跡でしょうが、その縁に2棟の建物がありました。 一方は白、他方は赤に塗られています。 避難小屋とトイレでしたが、とても立派な建物です。 「流石、百名山ですね!」 と、妙に感心する。 この辺りもしっかり道標やペンキ印があるので道に迷うことは無いが、 霧や悪天候の際は注意が必要である。 |
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霜柱の登山道を登る | |
いよいよ本峰への登りです。 近そうに見えるのですが、中々歯ごたえがあります。 途中で初めて登山者の方にお出合いしました。 髭を生やしたかなりのご年配のお方です。 「今日は空いていますね」 続いてこれも単独行のオバサン。 「山頂は独り占めの眺望ですよ」 ごつごつの稜線を辿って到達した山頂は、本当にそのものでした。 遠くに、明日から向かう予定の、阿蘇山や祖母山らしき山が見えています。 |
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山頂にて | |
「明日も天気だといいのだが」 と、思いながら下山を始めます。 登りにも見えていた中岳付近の噴煙が、いっそうよく見えます。 坊がツルに通じる登山道を、2人組のパーティーが登ってきます。 一本の草木もない、荒れた不毛の火口底です。 「安達太良山や蔵王などで見慣れた風景ですね」 天気が良いと、穏やかな気持ちで眺められます。 |
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中岳付近の噴煙 | |
下りは追いついたオバサンとお話しながら途中まで下りました。 北九州から来られたそうで、この山は21回目と申されています。 行きも帰りも1泊と言う、豪勢な登山です。 今日もロッジでお泊りとか。 「明日は阿蘇山に行きます」 と、お別れして先を急ぐ。 今日の泊まりは、阿蘇の仙酔峡の予定である。 「先ずは幸先の良い出だしだワィ」 と、満足していたが、明日の朝に吃驚するような出来事が待っているとは、この時点では思いもしなかった。 |
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最後の下りの登山道にて | |
12月16日(水): | |
5:00起床6:30出発…8:30阿蘇山高岳ー11:00登山口ー15:00竹田、岡城観光ー神原(泊) |
朝起きれば、駐車場は真っ白! 天気予報の通り、夜の間に結構な雪が積もったのです。 時間が掛かりそうなので、早くから出発です。 高岳へと続く仙酔尾根の稜線を辿ります。 積雪も深そうなので、さて、何処まで行けますやら? |
旧阿蘇町、現在は阿蘇市の寂れたようなスーパーで買い物。 ガスボンベは探し回ったが、ホームセンターで何とか購入。 (飛行機の場合は持ち込み不可なので、現地でのガスボンベの購入が不可欠である)仙酔峡の駐車場はかなり高度が高く、直ぐ裏がロープウエイ乗車場である。 既に暗くなってきており、下界の阿蘇市の明かりが見える。 「此処からは久住の山も見えて、素晴らしい景色ですね!」 今夜は雪のことも考え、避難壕の中にテントを張った。 これが正解であった。朝起きると、一面の銀世界だった。 (チェーンを借りておいて正解であった!) |
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起きたら、駐車場は真っ白であった | |
花酔橋を渡って、仙酔尾根の末端に取り付く。 下から眺めれば、比較的簡単に稜線まで辿り着けそうである。 (これが甘い見通しであったのは、途中で嫌と言うほど思い知らされた!) 最初は草の斜面であるが、次第に傾斜も急となり、岩稜となってくる。 「鷲ガ岳の岩峰はまあ厳しそうですね!」 次第に雪も深くなってくる。 「此処は下から見上げる以上に上り下りがありますね」 その都度、雪に隠れた登山道を探り当てて辿らねば、思いがけぬ回り道を余儀なくされる。 |
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鷲ガ岳 | |
「久住の下は晴れていますが、山頂方面はモヤって見えませんね」 久住方面は上部がかすかに見えるだけである。 阿蘇は大丈夫だと思っていたら、こちらも次第にガスに覆われてきた。 「風もきつくなってきましたね」 今日は高岳までなので何とか行けるだろうと思うが、天候も地形も次第に厳しくなってくる。 |
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途中の岩場 | |
漸く稜線に到達したが、高岳らしき標識はない。 「地形図からすると右方向ですが、霧のため地形がわからない」 一見すると平坦な尾根のようなのですが、右方向に進むとピークが連なっています。 「なるほど!もう少し先のあの峰ですかね?」 ところが中々遠い! 3つほど越えた先に、ありました。 しっかりと「高岳」と記されています。 |
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風雪の阿蘇山山頂(高岳) | |
このまま来た道を下るのが楽なのですが、折角ですから中岳を回ってロープウエイ方面に下りたいものです。 ぼっぼつと降りかけますが、中岳手前付近で登山道が不明瞭に! 「此処まで来ましたが、矢張り戻らないといけませんかね?」 この場所では、斜面を少し戻り気味に登山道を辿るのでした。 「これでほっとしますね」 漸く中岳に到着です。風は相変わらず吹き続け、ガスも晴れません。 「些か心細いですね。ガスさえ晴れれば問題ないのですがね」 |
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中岳よりの登山道を下る | |
ところが中々一筋縄ではいきません。 中岳からの下りが中々微妙! 途中で標識が不明瞭に! 「これはイカン!最悪、引き返すしかないか!」 前後を慎重に探すと、かすかな目印がありました。 「これで一安心です?!」 けれども、積雪はますます深くなってゆきます。 トレースもありません。この山に入っているのは、私だけのようです。 |
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急なルンゼ状の登山道から見上げる | |
急なルンゼ状の斜面を下りますと、前方に展望所の柵が見えてきました。ようよう、安全地帯に到達です。 「此処まで何回引き返そうと思ったか分かりませんね」 安全と冒険は紙一重である。 遭難騒ぎになれば、無謀登山と非難される! 此処からは点々と避難壕の配置されている遊歩道を下るだけだ。 |
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展望所の登山道にて | |
ロープウエイの山頂駅に寄ります。 流石に誰も居ません。 「噴煙によるものでしょうね。かなり痛んでますよ」 壁はぼろぼろである。 展望所まではトレースがあったのですが、その御仁も引き返したのでしょう。山頂駅からトレースが着いていますので、それを辿って下ります。 |
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ロープウエイの山頂駅を見上げる | |
「何と皮肉なのでしょう!」 標高を下げただけでなく、天候が回復してきました。 山頂もしっかりと見えています。 「ああ、残念じゃ!」 しかし、あの視界も利きにくい天候の中、単独行で無事登頂できたのだけでも幸せです。 明日の祖母山に向けて、心を新たにします。 |
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下り始めると皮肉なことに晴れてきた! | |
12月17日(木): | |
5:30神原(こうばる)登山口出発…8:30祖母山山頂…1:00登山口−大分空港ー帰阪 |
昨日は神原登山口の駐車場で泊まりました。 中々冷え込みました。 今日は祖母山に挑みましたが、視界は利かずでした。 |
昨夜は雪こそ降りませんでしたが、標高も高く冷え込みました。 飛行機で移動するのでどうしても重量制限があります。 薄いシュラフとウアンダーウエアの羽毛服ではどうしても冷えます。 そうは言っても、今日は最後の目的地です。 樹林帯に覆われた山で風も少なそうですが、油断はなりません。 「まあ、今日も気合を入れて出発です」 |
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テント内で | |
最初は谷沿いの道を行きます。 両岸に分かれて登山道が延びます。 眼下には美しい渓谷が広がっていますが、綺麗な雪景色で本当に寒そうです。 やがて5合目の避難小屋に到着します。 右岸から登ったので、谷に架けられた立派な木の橋を渡ります。 「この小屋も立派ですね!」 この上から急傾斜になり、尾根筋をぐいぐいと登ってゆきます。 「中々急な尾根道ですね。所々に虎ロープも出てきますね」 |
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途中の標識! | |
やがて傾斜が緩やかになると、切り開かれた広い平地に出てきました。国観峠です。 峠といってもただの平地ですが、此処には方々からの登山道が合流します。 「まあ、もう直ぐ9合目ですね。小屋があるはずですね」 ありました。9合目の標識です。この辺りは傾斜こそ緩いのですが、積雪量は中々のものです。 視界は今一ですが、道を迷うことはなさそうです。 今日の山で最後だと思うと、複雑な心境です。 「此処まで来たら晴れて欲しいが、天候ばかりはどうしょうもない。雪でも(山頂まで)登らんとどうする!」 |
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九合目 | |
霧は晴れませんが視界が開けてきました。 疎林になって来たのです。 とうとう山頂に到着です。記録のように2つのお社がありました。 「此処は矢張り風がきついですね」 |
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山頂にて | |
取り敢えずは記念撮影。 アンパンの行動食を食べ、下山へと向かう。 「素晴らしい景色ですが、飛行機の時間もあるので先を急ぎましょうね」 この天気では、登ってくる人は皆無です! 「下りも気をつけて下りましょうね」 この道は、結構傾斜がある。 |
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一面の雪の山頂にて | |
「下りに9合目の小屋に寄ってみようかな?」 9合目の小屋に向かう分かれ道は、両側の枝に多量の雪が乗っています。これでは雪まみれになりそうです。 「これはパスですな!」 折角ですが時間も迫っているので、下山が最優先です。 |
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国観峠の地蔵様 | |
先を急ぐが、急傾斜の下りは中々時間が掛かります。 嫌になる頃、見覚えのある5合目の小屋が見えてきました。 矢張りどなたも居られません。 「この時期の平日、この気候では登山者に尾で愛することが不思議でしょう?!」 下りは中に入り、ゆっくりと行動食を食べる。 「此処まで来ると、矢張り、ほっとしますね」 5合目の小屋からは、左岸の道から下ります。 こちらが本道のようですが、途中で谷筋の崩壊で登山道が不明になっているところも出現。少し不安になるところもありましたが、漸く登山口に到着です。 |
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五合目の避難小屋 | |
「いやー、ご苦労様でした」 (と、自分を褒めてやる?!) 取り敢えずは装備の再梱包です。 スーツケースに詰め込みます。 (スーツケースで山に出かけたのは、北関東の旅に続いて2度目ですが、なかなか便利なものです) 一路大分空港に向けて出発ですが、今日こそ入浴したいものです!!(捜し求めて漸く、別府の高台の住宅地の中の温泉に入れました) 「ああ、すっきりしました。癖になりそうなJET&レンタカー登山ですね」 |
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登山口駐車場 |