金剛山ードンデン山ー金北山(佐渡島、大佐渡山脈縦走登山)
2009年5月2日()〜3日()    同行者:NK
佐渡トレッキングマップ(うまさぎっしり新潟「観光通信」2009春vol.40より

佐渡島は花の島である。
春ともなれば、一斉に花々が咲き乱れる。
長い冬を終えて、その眺めは極めて華やかである。

国仲平野の北の大佐渡山脈も例外ではない。
むしろ、1000m少しの大佐渡山脈であるが、その植生は本州の2000m以上の山にも引けをとらない。

 今回、かねてから念願の、花の季節の縦走登山に踏み切った。
天候に恵まれ、快適な登山であった。

写真のうち、(*)はNK君からの提供によるものです。
雪割草*
5月2日(土)

 9:00出発(白瀬登山口)…12:00金剛山山頂…16:00ドンデン山荘キャンプ場

8:00のJetfoilで両津港到着。
白瀬まで送迎してもらう。
天候は良く、快適な登山が出来そうだ。
先は長いが、ゆるりと出発する。 

大佐渡山脈:白瀬〜金剛山〜ドンデン
 
今まで金北山には1回出かけたが、白雲台からの慌しいピストン
金北山登山参照)であった。
念願は、大佐渡山脈の花の時期の縦走でした。
今回は、幸いにも天候に恵まれました。 
白瀬口より金剛山山頂に向かいます。

ここ(金剛山の登山路)は、花の宝庫と呼ばれているらしいです」

期待が高まりますが、出だしから登山道の周囲には花が満ちてます。
白瀬登山口にて 

気持ちの良い自然林の中を、登山道は徐々に高度を上げてゆきます。
途中で沢を横切りますので、此処で水分も補給しました。
山頂はまだ見えません。
スミレやイワカガミが多かったのでしたが、そのうちシラネアオイも出てきました。
「それにしても良く晴れてますね」

今回の目的は、ずばり!縦走と花の観賞です。
「それにしても花だらけですね!」
それにつけても、何という贅沢な悩みでしょうか?
シラネアオイ*
そのうちトラバース気味に高度を上げると、木々の高さも低くなり、眼下に両津の町並みが見えてくる。
「あれが加茂湖ですね。
両津の町が砂州の上に乗っているのが良く分かりますね。」


途中で若者の単独行者が追い越してゆく。
「流石!若者は早いのう。」

山頂に到着すると、食事中である。
良く聞いてみると、昨年も大佐渡山脈に来たという。
よほどの熟達者かと思えば、まだ山を始めて間がないという。

「此処は玄人好みの山かと思っていましたが?」
金剛山山頂のお社にて

遥か向うに金北山のレーダー基地が見えている。
 「それにしても遠いですね!」

手前にドンデン山の山荘らしき建物が見えている。
1002.9mピークからドンデンまでは緩やかな下りだ。
思わず、これは楽勝か!と思った。

「これは1002.9mピークまでの勝負ですね」

しかし、これがとんでもない誤解だと、後に知らされるのであった。
金北山をバックにBergen(左)とNK君
最初は急な下りである。
早速、密生した杉林の登山道を辿る。
此処のカタクリの大群生に感激!
次第に雪が出てくる。

「雪で登山道が分かりにくいですね!
地形図で(山稜の)どちらを登山道が辿っているが注意しないといけませんね」

雪の上の踏み跡もほとんど消えています。
人影は全くありません。
途中でさっきの若者が又追い越してゆきました。

ドンデン山までの道は、雪も出てきて、ルートファインディングが難しい。
それにしても素晴らしい花々である。
足元のみならず、斜面の彼方まで、花に埋め尽くされている。

「こんな光景は、岩手山のコマクサ以来ですね!
もう大感激です!」


若者は道を間違え(この付近で稜線が合流しているので、90度ほど曲がらなくてはいけない)、北側のピーク(雷畑山)に行ってきたと言う。
杉林(といっても、本州のひ弱な植林では無い!)で視界が開けないので、読図が不十分だとどうしても道を間違えるようだ。

「この山域では(ことに積雪期は)要注意ですね」
イワカガミ*

足元のみならず、頭上にも注意です。
所々に、大きな杉の木が見えてきました。

「これが有名な杉の巨木ですか?」

長い冬の積雪のためか?
木々にも自ずから風格があります。

「立山の松尾平のようですね」
風格のある杉の木*
足元にはカタクリの大群生。
本当に斜面一杯と言う表現がぴったりです。
何処まで見ても、薄紫の花!花!花!
下のほうでは枯れていたのが、此処まで登ってくるとまさに満開です。

「これはカタクリの畑ですな」
まさしく、一面のカタクリである。
近畿の近郊でもカタクリ群生の名所と呼ばれる場所は多いが、そんなの比較にならない。この思いは、佐和田に下りるまでずーつと続いた。

「それほど佐渡は、花の宝庫である」
カタクリの花
上に述べたように「滑石」までは、ルートファインディングが極めて困難である。
良く地形図の登山道を確認して、雪田の踏跡を参考にしながら進まなければいけない。

「滑石」からもその状況はあまり変わらなかった。
急な下りや、水の流れている溝状の地形が、現在地点を不確かにさせるのだ。
その都度、地形図で現在地点を確認する。

「漸く、ドンデン池キャンプ場ですよ!」
ここは水が無いので(皆さんは行動中の水を持参されている!)、
ドンデン山荘のキャンプ場まで移動です。
ドンデン山のキャンプ場
NK君の悲鳴も聞き流し(彼は此処での幕営に拘ったが、池の水は利用できないし、ここらは夏は放牧場で牛の糞がそこらにある)、最後の急坂を登ります。

「漸く着きました。此処は天国のようですね」
水も豊富、生ビール(600円)もある。テント場も余裕がある。

「風が少し強いが、見晴らしも最高!」
両津湾から国仲平野、そして真野湾まで指呼の間です。
テント設営済ませると、早速宴会モードです。
ドンデン山荘前のキャンプ場
5月3日(

6:00出発(白瀬登山口)…11:00金北山山頂…18:00佐和田

今日は白雲台に宿泊予定であったが、アルコールも無く、明日を休養日にしたいとの思いから、急遽、下山するはめになった。
大佐渡山脈:ドンデン山〜金北山 大佐渡山脈:妙見山〜小仏峠〜佐和田ダム
夜は十分に休んだので、早起きです。
周りのテントの方は何れもお休みのようです。
静かに朝食の用意をします。
朝はうどんですが、何とカレーうどんです。
「朝から元気が出ますね」

昨日より少し曇り気味の中を出発します。
まずはアオネバ十字路まで車道の下りです。
此処から、登山道に入ります。

石花(いしげ)越分岐を過ぎ、、上り下りを重ねて次第に高度を上げてゆきます。
漸く、真砂の芝生にやって来ました。

「金北山がかなり近くに見えますね」
真砂の峰
イモリのコル、イラツボ沢のコルを経て、漸く金北山に肉薄しました。
あやめ池を過ぎると、金北山の南東面が急な斜面で迫ってきます。
この辺りは一面の雪田です。
見晴らしも良いんですが、矢張りルート取りに苦労します。
「此処は踏み跡を辿ればいいんです」

最後の斜面では、金北山から下りてこられる方々が、結構苦労されていました。
雪はいよいよ、腐れ雪です。
「その分、滑落の危険は少なくなりますが、矢張り注意が必要です」
金北山山頂のレーダードーム
いよいよ、久しぶりの金北山山頂です。
レーダードームの間に小さくなった(!)お社があります。
此処で記念撮影です。

なんということでしょう!
昨日、金剛山の下りでお会いした方々と再会です。
「わっ、今日は白雲台からピストンですか?」
「今日は横着(車で白雲台まで登って、自衛隊管理道路を往復)しました」
恥ずかしげに申されます。

いやいや、(佐渡最高峰の)登頂を目指すなら一番簡単なルートからは鉄則です。この時期、いろんなところを巡るには、効率が必要でしょう。
金北神社前にて、NK(左)とBergen
これから味気のない道路を辿ります。
この前に来たから、此処は知った道です。
風が強く北から吹きます。
石花の町が上から望めます。
それにしても深い谷筋です。
「佐渡は本当に、日本の縮図だ!」

妙見山のピークにも、新しい施設が建設中でした。
風は強くとも視界が開けているので、安心、快適に下れました。
妙見山山頂に建築中のレーダー
妙見山の山懐を南に回りこむと、自衛隊管理道路ともお別れです。
此処からは、大佐渡スカイラインの自動車道です。
「このスカイライン沿いに登山道があるかと思っていましたが、残念です」

此処は延々と歩くのみである。
途中で、スカイラインお最高点を過ぎるが、此処からすべて下りと思ったのは、甘かった!
大佐渡スカイラインの最高点
それでも途中の山々の新緑が目を慰めてくれます。
枯れ木に混ざって新しい命が芽生えてます。
どっこい!桜もまだ咲いています。
「本当に此処は日本列島の縮図ですね」
本当に佐渡は、日本列島を構成する「エレメント」がすべて揃っているのだ。

いい加減くたびれた頃、そして靴底に多くのまめが出来た頃、
漸く佐和田に下る林道に出会いました。
「此処からは下るのみですよ」
NK君もほっとしました。
高度を下げてくると新緑が芽生える。桜も残る。
真野湾と佐和田の町が眼下に広がってます。
私の好きな光景の一つです。

途中の林道では、コゴミやワラビなどを採取します。
「私は、転んでも只では起きませんで!」

NK君は体調もあまり良くなさそうで、些か過労気味です。
待ち受けながら下ります。

最後は読図を間違えて、佐和田に下りるつもりが、窪田に下りてしまいました。
海岸線の2kmの長かったこと!
佐和田のマンションで入浴の後、夕食は町に出かけました
佐和田の町と真野湾(右)、手前が佐和田ダム
5月4日(
休養、観光日
今日は佐渡市内の観光です。
疲れた体も一夜休めば回復(?!)
真野、小木から赤泊を経由して、佐和田に戻りました。
蓮華峰寺(れんげぶじ)ー「あじさい寺」といわれるが、まだ花は咲いて無かった。
海潮寺ー小木の御所桜 宿根木の案内板
宿根木の町筋 宿根木の公会堂ー絵になりますね
宿根木の町並み 赤泊の町
長谷寺(ちょうこくじ)ーボタンの花で有名、5月16,17日がボタン祭り 長谷寺のボタン
inserted by FC2 system